2020 年 76 巻 2 号 p. I_565-I_576
同時に発生した巨大津波は東北地方沿岸部を中心に広域的かつ甚大な被害をもたらした.また近年では各地で豪雨災害が頻発し,自然災害時の被害予測が求められている.しかし,自然現象は多くの不確実性を有しており,災害シミュレーションにおいてはシナリオの設定が困難である.こうした背景から,不確かさを定量化するために,詳細な数値解析を代理表現する簡易なサロゲートモデルを構築し,低計算コストで被害を確率論的に評価する方法が提案されている.本研究は,なかでも特異値分解によるデータ圧縮と多項式回帰を組み合わせたサロゲートモデルに着目し,カーネルリッジ回帰による回帰の効率・性能を向上させた改良法を提案し,その有用性を確認した.