日本臨床外科学会雑誌
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症例
絞扼性イレウス術後に急性転化した慢性骨髄単球性白血病の1例
佐々木 愼富林 敦司中山 洋渡辺 俊之
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2012 年 73 巻 4 号 p. 885-888

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抄録

症例は85歳,女性.2010年8月に絞扼性イレウス,小腸壊死に対して小腸部分切除術を施行した.術後臨床経過は良好であったが,術前にも認めていた貧血や血小板減少が進行し,白血球分画にて未分化細胞もみられた.9月22日には熱発もみられ,その後も炎症反応が遷延したため血液内科にコンサルトした.髄液検査では過形成を示し,異型性を示す骨髄芽球や好中球前骨髄球の出現率が高値で成熟好中球は著減していた.また赤芽球系細胞は明らかに増加し,巨赤芽球性変化を示していた.染色体検査では複雑型の遺伝子異常を認め,慢性骨髄性単球性白血病(Chronic myelomonocytic leukemia,以下CMMoL)と診断された.年齢,全身状態より輸血を中心とした支持療法を行う方針となり11月19日に死亡となった.手術侵襲がCMMoLの急性転化に関与し死にいたる転帰をとった症例と考えられる.

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