抄録
横引き管の排水機能を明らかにするために,自由放流端を有する管から流出する流れを対象に実験的な検討を行った.遮蔽板直上流側の相対水深の増加に伴って自然に満水状態になる条件では,横引き管の相対長さを短くした場合,横引き管の勾配を大きくし場合,Torricelliの定理に準じて定義された流量係数Cdの変化から,相対水深の増加に伴う排水機能の大きな向上が期待できることが分かった.この結果に伴い,相対水深の変化によって,流入口での局所損失係数が1.5から0.2前後まで変化することを明らかにした.ただし,横引き管の勾配を大きくしすぎたり,管路の相対長さが短くなりすぎたりすると,ある段階で,相対水深が増加しても,横引き管内の流れが常に開水路射流となり,流入部に剥離が継続するため,排水機能が極度に低下することが分かった.