抄録
門脈ガス血症は予後不良な病態とされてきたが,近年では保存的治療で軽快する症例も多数報告されている.しかしながら,重症度については確実な評価方法がない.当センターで2006年から2011年までに心肺停止状態で搬送された症例以外で,CTにて門脈ガス血症と診断された15例を対象に,重症度評価についての検討を行った.全体の性別は男性9例,女性6例,平均年齢74歳であった.全15例を生存例(8例)と死亡例(7例)に分類し,年齢,性別,基礎疾患,身体所見,血液検査所見,CT所見,原因疾患,治療方法について検討した.白血球数の高値やbase excessの低値,また,腹部CTで腸管気腫かつ腹水の所見,特に腸管気腫の形態が非円形もしくは不整線状ガスで,かつ腹水の所見は重症を示す指標として有用であると考えられた.本検討例では症例数が少なく,今後さらなる多数例での検討が必要と考えられる.