日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
いずれにも日本住血吸虫卵を併存したS状結腸多発癌の1例
松下 典正古川 達也腰野 蔵人小松 明男重松 恭祐
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 73 巻 6 号 p. 1486-1490

詳細
抄録
日本住血吸虫卵との関連が疑われる多発S状結腸癌の症例を経験した.症例は82歳女性.山梨県,広島県,福岡県の在住歴なし.S状結腸に径1.5cm大の平皿状腫瘍とその近傍のIpポリープを認めS状結腸切除術を施行した.摘出標本の病理所見としてtub2,pMP,pN0,ly0,v1の進行癌とpM,ly0,v0のCarcinoma in adenomaであった.腫瘍の間質内には多数の寄生虫卵を認め,日本住血吸虫卵の併存した多発S状結腸癌と診断した.本邦では急性期の日本住血吸虫症患者は認められていないが,陳旧症例に合併した大腸癌の報告が認められる.日本住血吸虫卵による影響を疑うという報告もある一方で否定的な意見も認め未だ議論されている.こういった現状から文献的考察を加え自験例を報告する.
著者関連情報
© 2012 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top