日本臨床外科学会雑誌
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症例
小葉癌を由来とした乳腺原発印環細胞癌の1例
江間 玲小坂 愉賢仙石 紀彦菊池 真理子蔵並 勝渡邊 昌彦
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2012 年 73 巻 7 号 p. 1643-1648

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抄録

症例は60歳,女性.当院内科で右乳腺腫瘤を指摘され,当科を受診した.右乳房C領域に1.5×1.0cmの不整で硬い腫瘤を触知し,マンモグラフィではカテゴリー4,超音波検査では9.0×8.0×8.0mmの不整形腫瘤を認めた.針生検にて,浸潤性小葉癌と診断され,乳房扇状部分切除,センチネルリンパ節生検術を施行した.病理組織学的所見において,腫瘍径4.0×4.5×1.5cm,ER陽性,PgR陰性,HER2陰性,GCDFP-15陽性,E-cadherin陰性で,印環細胞が主体をなす小葉癌由来の乳腺原発印環細胞癌と診断した.また,センチネルリンパ節に微小転移を認めた.病理結果により補助化学療法,放射線療法施行後,現在ホルモン療法施行中である.乳腺原発印環細胞癌は比較的まれであり,文献的考察を加え報告する.

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© 2012 日本臨床外科学会
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