2012 年 73 巻 7 号 p. 1654-1658
特発性食道破裂の2例に対して,胸腔鏡下洗浄ドレナージに加えてTチューブを用いた食道外瘻造設を施行した.Tチューブの留置には上部消化管内視鏡と胸腔鏡を併用した.瘻孔形成の後にTチューブを胸腔ドレーンに交換して徐々に抜去することで,腹腔内と同様に瘻孔を閉鎖をさせることができた.2例とも良好に経過し治癒退院した.この方法は手術に際して分離肺換気が不要で,大がかりな開胸,開腹を要せず低侵襲であり,また縫合閉鎖のような深部操作に比べて簡便であった.本法は,特発性食道破裂の治療に有用な選択肢であると考える.