日本臨床外科学会雑誌
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症例
腸閉塞を呈した小腸血管腫の1例
宮本 正之山本 康弘鈴木 和香子岡村 幹郎河野 透古川 博之
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2012 年 73 巻 7 号 p. 1705-1709

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抄録
症例は61歳,女性.本年4月,全身倦怠感を主訴に当院内科を受診し,貧血と便潜血陽性を認めたため消化管精査目的に入院となった.入院後,腸閉塞症状が出現し,CTにて左下腹部に腫瘤像と口側小腸の拡張を認め,小腸腫瘍によるイレウスの診断で当科紹介となり手術を施行した.術中所見では,直径7×4cmの壁外性に発育する小腸腫瘍を認め小腸部分切除を行った.病理組織学的には小腸海綿状血管腫の診断で,粘膜下での血管腫の破綻による慢性的出血と血腫形成があり,それに対する肉芽反応と線維化が生じた病変と思われた.血管腫は全消化管腫瘍の0.05%,小腸良性腫瘍の7~11%を占めるまれな疾患で,消化管出血を主訴に発見されることが多く,腸閉塞に至った症例の報告はない.治療は外科的切除が第一選択とされている.今回われわれは貧血を主訴とし腸閉塞症状を呈した小腸血管腫の1例を経験したので報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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