日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下結腸右半切除後にport site recurrenceを認めた上行結腸癌の1例
腰野 蔵人井上 雄志大木 岳志上小鶴 弘孝金子 由香山本 雅一
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2012 年 73 巻 7 号 p. 1738-1742

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抄録

症例は55歳,女性.上行結腸癌に対して2009年8月腹腔鏡下結腸右半切除術を施行.病理所見は高分化腺癌pSS,n0,ly1,v1,pPM0,pDM0 pstage II であり,術後補助療法としてUFT/Uzel(450mg,75mg/day)を6コース行った.2011年9月頃より腫瘍マーカーのCEAが5.9ng/mlと上昇を認め,PET-CTで左上腹部のport挿入部に一致して集積を認めた.Port site recurrence疑いで2011年12月腹壁腫瘍切除術を施行した.開腹時所見にて腹膜播種所見,遠隔転移所見は認められなかった.Surgical marginを確保し腫瘍を切除,腹壁をrepairし,手術を終了とした.経過良好にて退院となった.現在再発はなく外来にて経過観察中である.今回われわれは腹腔鏡下結腸右半切除後port siteのみに再発を認めた1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.

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© 2012 日本臨床外科学会
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