抄録
症例は77歳,女性.2006年3月に直腸癌に対し低位前方切除術を施行していた.その後,2007年6月に肺転移で肺葉切除を施行した.肺切除後の補助化学療法は行われていなかったが,2011年6月にCT上膵尾部腫大を指摘され,FDG-PET検査陽性であった.膵尾部癌との診断で2011年7月に膵体尾部・脾合併切除術を施行した.病理所見では大腸腺癌の特徴を有し,膵癌で認められる神経周囲侵襲像が目立たなかったことから直腸癌術後異時性膵転移と診断した.切除対象となる大腸癌膵転移症例は原発巣切除後5年以上経過して発見されることも多く,大腸癌術後には長期にわたる経過観察が必要と考えられた.