抄録
乳癌の治療体制の変化と画像診断の進歩,および薬物療法の発展による予後の改善により両側乳癌は増加してきている.今回当科で1997年~2009年の期間に経験した乳癌手術例1,250例の中で両側乳癌症例32例(2.6%)を対象とし,retrospectiveに臨床病理学的因子を検討した.同時性が21例,異時性が11例であった.平均発症年齢は同時性乳癌が61歳,異時性第一癌が47.5歳で有意に異時性第一癌が若年であった.異時性第二癌ではHuman epidermal growth factor receptor type2(HER-2)の発現率が45.5%と比較的高率であった.両側乳癌においてはまだまだ不明な点も多い.さらなる症例の蓄積を行い,検討を重ねていくことが必要である.