抄録
症例は66歳,女性.下腹部違和感を主訴に他院受診し,右後腹膜に最大径8cmの造影効果を伴う腫瘤を認めたため,平成21年4月に開腹摘出術を施行したが一部腫瘍が下大静脈壁に遺残した.病理結果から下大静脈原発性平滑筋肉腫と診断され,以後経過観察された.術後7カ月目の造影CT検査で腫瘍の増大を認め,12月に当院にて再手術を行った.下大静脈より突出する境界明瞭で表面平滑な腫瘤を認め,下大静脈を約7cm合併切除し,ePTFEグラフト(径20mm)にて再建した.術後5カ月目に肝S8に転移を認め肝S8切除,さらにその術後5カ月目に肝S2/S3転移を認めたために肝外側区域切除術を施行した.初回手術後33カ月の時点では腫瘍の新たな再発所見は認めていない.下大静脈平滑筋肉腫の再発例において積極的な外科的治療により生存期間の延長を得ている1例を経験したので報告する.