日本臨床外科学会雑誌
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症例
肺外への有茎性発育形態を呈した肺原発Ewing肉腫/primitive neuroectodermal tumorの1例
桧垣 直純中根 茂岡 義雄左近 賢人綾田 昌弘
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キーワード: PNET, Ewing肉腫, 肺原発腫瘍
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2012 年 73 巻 9 号 p. 2225-2230

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抄録

症例は29歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され当院を受診した.胸部X線で右下肺野の横隔膜直上に3cm大の境界明瞭な円形の腫瘤影を認め,胸部CTでは,右肺下葉S8に胸壁に接する内部の不均一な充実性腫瘤を認めた.孤立性線維性腫瘍などを疑い,2007年4月手術となった.腫瘤は右下葉末梢より突出する赤褐色調の腫瘤で,容易に切除可能であった.術中迅速病理検査では小円形細胞からなる腫瘍で確定診断には至らなかった.永久標本で円形の核とPAS陽性の胞体を有する均一な腫瘍細胞からなり,免疫染色で,CD99・NSEに陽性で,遺伝子解析からEWS-FLI1融合遺伝子が確認された.術後の全身検索を含め,肺原発のES/PNETと診断された.2008年10月他肺葉への孤立性転移で再手術を施行した.初回および再手術後に化学療法を行い,2012年4月現在さらなる再発を認めていない.

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© 2012 日本臨床外科学会
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