2012 年 73 巻 9 号 p. 2231-2234
症例は75歳,男性.2002年秋より左中指先端の腫瘍を自覚し,翌年春に近医形成外科を受診した.精査の結果,エクリン汗腺癌と診断され,左中指切断および左腋窩リンパ節郭清術が行われた.経過観察中の2004年,左肺尖に結節影を指摘され,診断と治療を目的に胸腔鏡下左肺部分切除術が施行された.その結果,エクリン汗腺癌の肺転移と診断された.さらに2009年には,同じく転移性肺腫瘍の診断で胸腔鏡下右肺下葉切除術が行われた.稀な転移性肺腫瘍であるため,若干の文献的考察を交えて報告する.