日本臨床外科学会雑誌
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症例
早期結腸癌・炎症性polypと鑑別困難であった無症候性胆嚢結腸瘻の1例
坪井 香保里北村 龍彦北川 尚史八木 健津田 昇一辻井 茂宏円山 英昭
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2013 年 74 巻 1 号 p. 173-178

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抄録
症例は66歳,男性.S状結腸癌イレウスに対して前方切除術および横行結腸人工肛門造設術を施行した.以後外来フォローしていたが経過良好で,人工肛門閉鎖術を予定した.術前の大腸内視鏡検査にて,肝弯曲部横行結腸に20mmの0-Isp病変を認めた.SM高度浸潤癌の疑いもあり,横行結腸人工肛門閉鎖に伴い,病変部を含めて横行結腸部分切除術を行った.術中所見では,0-Isp病変の存在する横行結腸肝弯曲部は肝臓と炎症性に高度の癒着を認めた.癒着を剥離すると胆汁が流出し,胆嚢管様管腔構造を認め,同部からの術中造影で胆嚢管であることを確認した.切除標本では,横行結腸肝弯曲の0-Isp病変部では大腸の陰窩上皮とは明らかに異なる管壁構造を認め,胆嚢との類似が確認され,同病変が胆嚢との瘻孔により形成された炎症性変化であったと判断した.
無症候性に経過し,病理組織学的検査で明らかとなった胆嚢結腸瘻を経験したので報告する.
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© 2013 日本臨床外科学会
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