抄録
症例は87歳,男性.腹痛,腹部膨満のため当院に救急搬送された.入院時の腹部CTにて小腸間膜内のガス像,5時間後のCT再検にて肝内門脈ガス像を認めた.造影CTでは腸間膜動脈の主要分枝に閉塞は見られなかったが,臨床所見の改善傾向が見られないため小腸虚血性病変の疑いで開腹手術を施行した.回腸の約30cmの範囲に虚血性変化を認めたが壊死には至っておらず,この部分を切除,吻合した.病理組織は急性虚血性病変の所見を認め,非閉塞性腸間膜虚血症(NOMI)と考えられた.高齢者の門脈ガスを伴う予後不良のNOMIであったが,早期の手術により術後経過は良好であった.