日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
オクトレオチドが有効であった弓部大動脈置換術後難治性乳糜胸の1例
川野 まどか和田 朋之穴井 博文嶋岡 徹岡本 啓太郎宮本 伸二
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 74 巻 10 号 p. 2741-2744

詳細
抄録
症例は46歳,男性.突然の胸痛を主訴に搬送され,急性大動脈解離(St. A型)と診断された.緊急手術を施行したが,術後低心拍出量症候群となり,術後2日目に東洋紡型補助人工心臓装着に至った.術後10日目より胸腔ドレーンから連日1,000ml以上の排液を認めた.保存的治療を行ったが,排液量が増加したため,術後26日目に胸腔鏡下胸管結紮術を施行した.胸水排液量は著明に減少したものの,完全には治癒せず,定期的な胸腔穿刺を必要とした.術後67日目よりソマトスタチンアナログ製剤(オクトレオチド)100μg×2回/日の皮下注射を行ったところ,投与4日目より300ml/日以下となり,その後の増加は見られなかった.今回,胸部大動脈術後の乳糜胸にオクトレオチドを使用し,重篤な副作用なく,最終的に治癒せしめたことから,全身状態不良の症例でも試みる価値は十分あると考える.
著者関連情報
© 2013 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top