日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹膜播種を認めた多包性肝エキノコックス症の1例
砂原 正男神山 俊哉佐藤 直樹倉内 宣明鈴木 伸作木村 純
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2013 年 74 巻 10 号 p. 2857-2862

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抄録
症例は52歳,女性.右上腹部痛を主訴に近医を受診し,CT検査にて肝右葉に石灰化を伴う13cm大の低濃度陰影を指摘され,当院紹介となった.精査にて腹膜播種を伴う多包性肝エキノコックス症と診断し,肝拡大右葉切除術を施行した.なお,術前CTにて指摘されていた2.7cm大の白色調の腹膜結節を摘出し,他にも5mm大までの腹膜結節を多数認め,うち3個を摘出し,いずれも病理検査にてエキノコックスの腹膜播種巣の診断を得た.外来にてアルベンダゾールによる術後補助療法を開始し,術後27カ月経過したが,転移や再発を認めていない.多包性肝エキノコックス症の予後は肝病巣の程度に依存するため,腹膜播種があっても肝病巣の切除後にアルベンダゾールを長期にわたり内服することで良好な予後が期待できる.腹膜播種を伴う多包性肝エキノコックス症の報告例はまれであり,文献的考察を加えて報告する.
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© 2013 日本臨床外科学会
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