2013 年 74 巻 2 号 p. 411-414
症例は37歳の男性で,好酸球増多症と気管支喘息の既往があった.右下腹部痛・発熱・嘔吐・下痢のため近医で加療されたが改善せず,白血球(好酸球)増多が継続したためプレドニゾロンの投与を開始された.プレドニゾロン開始後7日目に腹痛の増悪を認め,腹部CT検査で腹腔内遊離ガス像を認めたため当院に救急搬送され手術を施行した.回盲部より30cmほど口側で回腸同士が側々に穿通し,この穿通部位に穿孔を起こして腸内容が流出していた.他の小腸にも飛石状に潰瘍性病変を複数認め,小腸部分切除術と回腸ストマ造設術を施行した.摘出標本の粘膜面には,漿膜側が正常の箇所にも多発する潰瘍を認め,病理学的検査では中小血管の炎症性肉芽腫性変化による小腸の虚血性変化を認め,Churg-Strauss症候群として矛盾のない所見であった.術後当院内科でステロイドパルス・シクロフォスファミド併用療法を施行され,術後57日目に退院した.