日本臨床外科学会雑誌
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症例
線維性癒着により小腸が切離された1例
松田 恭典李 栄柱岸田 哲大河 昌人西澤 聡大杉 治司
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2013 年 74 巻 2 号 p. 415-419

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抄録
小腸が線維性癒着によって腹腔内で切離された症例を報告する.症例は51歳男性.3日前より持続する腹部膨満感と嘔吐を主訴に外来を受診.腹部X線写真上,小腸の拡張と鏡面形成を認め,42歳時に胃全摘術の手術既往があることから術後癒着性イレウスの診断にて緊急入院となった.イレウス管を留置して保存的治療を行ったが,入院7日目に突然の高熱と炎症反応の増悪を認め,腹部CT検査で腹腔内に液体貯留が疑われたため消化管穿孔と判断し緊急手術を施行した.右上腹部の線維性癒着により,小腸が腸間膜を残して完全に切離されていた.切除標本を検討したところ,切離されていた部位の腸管粘膜や近傍の腸間膜には壊死像や虚血所見を認めず,絞扼壊死から穿孔に至ったのではなく,線維性癒着により物理的に直接切離されたものと考えられた.
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© 2013 日本臨床外科学会
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