日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹膜播種性平滑筋腫症の1例
櫻井 直樹山本 久仁治飯澤 肇柳川 直樹田村 元
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キーワード: 腹膜播種, 平滑筋腫症
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2013 年 74 巻 3 号 p. 829-832

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抄録

症例は57歳,女性.13年前に子宮筋腫の手術中に腹腔内腫瘤を複数認め,一部切除した病理組織結果より播種性平滑筋腫症の診断が得られていた.2011年5月に腹部膨満感と腫瘤の触知を主訴に当院婦人科を受診した.下腹部から骨盤部に10cm超の腫瘤を2個認め,播種性平滑筋腫症の再燃と診断された.腸管を巻き込み,膀胱を圧排していたため,手術目的に外科へ紹介された.同年8月手術を施行した.創直下に,大網から栄養を受けて垂れ下がるように存在する腫瘤と,骨盤底に,S状結腸および同間膜,複数の小腸を巻き込んだ形で存在する腫瘤の2個を同定した.可及的に剥離を行った上で,大網の一部および回腸部分切除を併施した腫瘤摘出術を施行した.切除標本の病理所見では,紡錘形細胞の増生を認め,壊死や細胞異型はほとんどなく,各種免疫染色の結果より播種性平滑筋腫症の再燃と診断した.

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