抄録
好中球減少症に合併した肛門周囲感染症9例について疾患背景や症状,所見さらに治療法について検討した.症例は18~75歳で男性8例,女性1例であった.基礎疾患は全例血液疾患であり,5例が骨髄移植,3例が化学療法,1例が基礎疾患のために好中球減少症を呈していた.全例発熱と肛門痛を認めたため精査を行い,好中球減少症に合併した肛門周囲感染症と診断した.7例で肛門の圧痛部位を切開,ドレナージした.4例で漿液性の排液を,3例で排膿を認めた.1例で肛門痛が再発し,圧痛部位を再切開し,再度漿液性の排液を認めた.再切開を行った1例を含め,術後肛門痛に対するペインスケールの改善と鎮痛薬の使用頻度が減少し,解熱を認めた.肛門の圧痛部位を積極的に切開,ドレナージを行うことで解熱および肛門痛の軽減を認め,感染の限局化を図ることができることが示唆された.