日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
Humoral hypercalcemia of malignancyを呈したPTHrP産生胆管細胞癌の1例
山本 基寺澤 宏那須 亨小林 康人坪田 ゆかり原 猛
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 74 巻 5 号 p. 1354-1360

詳細
抄録

症例は67歳,男性,右季肋部痛と発熱を主訴に来院した.腹部MRIで肝前区域を中心とする腫瘍を認め,肝亜区域切除・胆嚢摘出・十二指腸部分切除・横行結腸部分切除を施行,H.E.染色では低分化型胆管細胞癌であった.術後30病日ごろから口渇・多飲・多尿・全身倦怠感および見当識の低下を認めた.高血糖や骨転移は認めず,Ca と PTHrP の上昇(14.6mg/ml,7.0pmol/l)を認めた.ただちにcalcitoninおよびzoredronateを投与し,症状緩和は得られたが,まもなく播種性の再発が生じ,術後64病日に死亡した.免疫組織学的検討では,CEA,cytokeratin(CK)-7,CK-8,CK-19,PTHrPが陽性,AFP,hepatocyte specific antigen(HSA),CK-20,PTHが陰性であったことから,最終的にPTHrP産生胆管細胞癌と診断した.

著者関連情報
© 2013 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top