日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
内視鏡的粘膜下層剥離術後に再発し急速に進行した食道癌術後胃管癌の1例
椎名 裕樹永田 松夫鍋谷 圭宏滝口 伸浩趙 明浩山本 宏
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 74 巻 6 号 p. 1511-1515

詳細
抄録
54歳,男性.食道癌と胃癌にて同時切除術を行ってから5年後に定期的上部消化管内視鏡検査(GS)により早期胃管癌が発見され,内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行した.切除標本の病理所見は,tub1~tub2,pSM1以深,LM0,VM1であった.高度肺気腫が存在したため,追加の胃管全摘術は行わず,無治療経過観察した.ESD後2年2カ月後に,GSにより胃管癌の局所再発が認められた(生検でpor).呼吸機能低下のために,S-1による化学療法を行った.GSでは胃管癌の進行は明らかではなかったが,呼吸機能の急速な悪化により,化学療法開始後約6カ月で永眠した.病理解剖により,胃管癌全体に表層性に広がる低分化腺癌の伸展,粘膜下・漿膜下のリンパ管侵襲,両肺の高度な癌性リンパ管症,胸膜転移,心筋,骨髄など,広範な他臓器への転移が判明した.胃管癌の治療を行う上で問題を提起する1例であると考えられる.
著者関連情報
© 2013 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top