抄録
特発性両側同時気胸simultaneous bilateral spontaneous pneumothorax (以下SBSP)は若年男性に好発する稀な疾患であり,軽症例が多いとされる.今回われわれは,緊張性気胸で発症したSBSPの1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は18歳男性,急性発症の胸痛と呼吸困難を主訴に来院され,胸部エックス線にて両側気胸と診断された.緊張性気胸の状態であり,緊急で両側胸腔ドレナージを施行した.入院後の胸部CTで,両肺尖部にブラを認め,入院4日目に両側同時胸腔鏡下ブラ切除術施行した.患者は術後5日目に退院し,その後再発なく経過している.SBSPの中には本症例の様に重症化する例も稀にあり,診療にあたって注意を要する.治療に関しては,両側胸腔の交通などが証明されない限り,両側同時ブラ切除術を行うことが一般的と考える.