日本臨床外科学会雑誌
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症例
治癒切除術後13年目に再発した原発性小腸癌の1例
渡邉 淨司山本 学徳安 成郎前田 佳彦蘆田 啓吾池口 正英
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2013 年 74 巻 7 号 p. 1914-1919

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抄録

40歳,男性.1997年12月空腸癌にて空腸部分切除術が施行された(well>mod,pSE,pN0,fStage II,CurA).術中cisplatinが腹腔内投与され,術後2年間 tegafur-uracilが投与されたが,再発所見なく2005年3月以降は加療終了となっていた.
2010年12月食後の上腹部痛にて当院を受診し,腹部CTにて空腸癌再発とリンパ節転移が疑われた.2011年2月空腸部分切除術が施行され,前回吻合部近傍のリンパ節転移が空腸腫瘍まで連続しており,空腸癌再発と診断された.術後補助化学療法を行っているが,2012年6月より肺などに多発転移をきたしている.
小腸癌は比較的まれな疾患で,予後は不良である.本症例は,治癒切除後13年間無再発生存であったが再発した.小腸癌においては術後再発に十分留意して長期間経過観察する必要があると思われ,文献的考察を加え報告する.

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