日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
成人特発性気腹症の1例
吉野 健史, 間中 大, 神頭 聡, 濱洲 晋哉, 小西 小百合, 西躰 隆太
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 74 巻 8 号 p. 2119-2122

詳細
抄録
今回われわれは比較的稀な特発性気腹症の1例を経験したので報告する.
症例は62歳女性.十数年前より自己免疫性肝炎,副腎機能不全,糖尿病にて近医通院加療中であったが,定期受診時のCTにて大量の腹腔内遊離ガスを認めた.軽度の腹満感を認めたが,腹痛はなく,腹膜刺激症状も認めなった.採血データは軽度の炎症反応上昇,肝胆道系酵素,膵酵素の上昇を認め,消化管穿孔の疑いにて当院紹介受診となった.上部消化管内視鏡検査を施行するも,穿孔所見を認めなかったため,下部消化管穿孔疑いにて試験開腹術を施行した.術中所見は,腹腔内に遊離ガスを認め,横行結腸間膜内にも大量の気腫が存在したが腹水を認めず,明らかな消化管穿孔を認めなったため,特発性気腹症と診断し,ドレーンを留置せず手術終了した.術後合併症なく,第13病日に退院となった.特発性気腹症は腹腔内遊離ガスを認めるが,腹膜炎症状がなく,保存的に加療でき得る稀な疾患である.
著者関連情報
© 2013 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top