日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後孤立性副腎転移をきたした胃癌の1例
山村 喜之武藤 潤黒田 晶鯉沼 潤吉村川 力彦大野 耕一
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キーワード: 胃癌, 副腎転移
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2013 年 74 巻 8 号 p. 2149-2152

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抄録

症例は71歳,女性.2年前に胃癌に対して幽門側胃切除術を施行し,進行度はT3(SS)N2M0 Stage IIIBであった.術後補助療法としてTS-1を6カ月内服していた.
術後25カ月のCTで左副腎の腫大を認め,胃癌の転移が疑われた.TS-1内服を再開したが術後29カ月のCTで左の副腎腫瘍は増大していた.全身精査目的でPET施行したところ,異常集積は左副腎のみであった.根治術が可能であると判断し左副腎摘出術を施行した.病理組織診断は胃癌の転移と矛盾しない所見であった.術後補助療法は行わず,術後10カ月再発は認めていない.
胃癌の副腎転移の切除例は少なく貴重であるため,文献的考察を加えて報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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