抄録
症例は19歳,男性.14歳時に潰瘍性大腸炎(UC:ulcerative colitis)と診断され,サラゾピリンを投薬されたが自己中断していた.便秘と発熱で当院に受診となった.大腸内視鏡検査で横行結腸に全周性狭窄,腹部造影CT検査では上行結腸から横行結腸に壁肥厚とその周囲の膿瘍形成が認められた.UCの再燃を疑い保存的治療を行ったが,横行結腸狭窄による症状が改善しないため,腹腔鏡下大腸全摘術を施行した.切除標本では上行結腸から横行結腸にかけて全周性の炎症性ポリポーシスがみられ,病理組織学的検索では軽度の陰窩の再生過形成性変化,粘膜固有層内の中等度のリンパ球・形質細胞主体の炎症細胞浸潤と陰窩膿瘍形成,粘膜下層から漿膜下層に及ぶ多発リンパ濾胞の形成と高度な線維化が観察された.しかし,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は認められず,UCやCrohn病は否定的であり,分類困難な大腸炎と診断した.