抄録
手術創の治癒遅延・離開の治療に難渋する場合には陰圧閉鎖療法が有効である.今回われわれは難治性創離開の3例に対して陰圧閉鎖療法を行い,良好な結果を得たので報告する.症例1は71歳,男性.腸瘻造設術の術後5日目に感染により正中創が離開した.洗浄,軟膏塗布を行ったが改善なく,13日目に陰圧閉鎖療法を開始した.創は約4週間で完治した.症例2は53歳,女性.イレウス解除術の術後,感染により正中創が離開した.洗浄,デブリドマン,軟膏塗布を約6週間行ったが改善がなかったため,陰圧閉鎖療法を開始し,3週間後に創はほぼ閉鎖した.症例3は54歳,男性.腹壁瘢痕ヘルニア術後の感染メッシュ除去を行った.正中創感染に対して術後7日目より陰圧閉鎖療法を開始し,創は2週間で完治した.これまでわが国での報告例はないが,腹部外科領域でも陰圧閉鎖療法は有効であると考えられた.