日本臨床外科学会雑誌
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症例
続発性気胸を呈した肺Langerhans細胞組織球症の1例
高梨 裕典卜部 憲和植松 秀護
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2013 年 74 巻 9 号 p. 2423-2427

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抄録

症例は36歳,男性.喫煙歴:20本×16年間.胸痛と呼吸困難感を自覚し近医を受診.左気胸として当科を紹介受診した.胸部CTにて左気胸および両側肺野にびまん性嚢胞陰影,小結節影,網状陰影を認めた.生検による確定診断のため,左上葉の嚢胞性病変に対して胸腔鏡下肺生検を施行し,同時にタルク散布による胸膜癒着術を行った.病理組織所見では,気管支および細気管支周囲を中心とした好酸球浸潤と,核に深い切れ込みを有しS-100蛋白およびCD4陽性を示すLangerhans細胞浸潤を認め,肺Langerhans細胞組織球症(PLCH)と診断した.術後経過は良好で,気胸は速やかに軽快した.退院後,外来で禁煙指導を行い,術後6カ月の経過観察で気胸再発を認めていない.多発する嚢胞陰影を伴う続発性気胸において,肺Langerhans細胞組織球症を念頭に置く必要があると考えられた.

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