2013 年 74 巻 9 号 p. 2441-2445
27歳,男性.約10年前から嘔吐,食事摂取障害,体重減少があり,家庭環境などのストレスによる症状として心療内科にて加療されていた.上部消化管内視鏡検査にて逆流性食道炎を認め,薬物療法を行ったが改善せず,手術適応として外科紹介となった,食道造影および内視鏡検査上,高度の逆流所見と高度の逆流性食道炎を認めた.24時間pHモニタリングでは著明な胃食道酸逆流所見を認め,食道内圧検査では食道一次蠕動波を認めなかった.手術は腹腔鏡下噴門形成術(Nissen法)を施行した.術後経過は良好で現在快適な生活を送っている.比較的まれな若年者逆流性食道炎に対する手術治療経験を報告した.