2013 年 74 巻 9 号 p. 2453-2458
症例は70歳の男性で,体重減少(-6kg/6カ月)と食欲不振,寝汗を主訴に近医を受診し,上部消化管内視鏡検査で残胃に凹凸不整な隆起性病変が指摘された.30年前に十二指腸潰瘍に対して幽門側胃切除術が行われていた.CT,透視検査で残胃の内腔に直径10cmを超える腫瘍を認め,内視鏡下生検でgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.残胃全摘+脾摘,Roux-en-Y法再建術を行い,術後の病理学的検索の結果はGIST,mitotic index 10/50HPFsだった.Imatinibによる補助化学療法を継続中で,術後1年6カ月間無再発で生存中である.