日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した単純性潰瘍による回腸膀胱瘻の1例
明石 諭山田 行重杉森 志穂島田 啓司吉川 高志
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 1 号 p. 96-100

詳細
抄録
症例は40歳,男性.食後の強い心窩部痛にて入院となる.腹部MRI・CT検査で胆嚢結石と膀胱右側に膿瘍を認め,膀胱鏡検査で膿瘍の膀胱穿通を認めた.胆石発作による疼痛が強いため,患者の希望により腹腔鏡下胆嚢摘出術を先行した.その際の手術所見および尿細胞診にて悪性所見は認められず,炎症による腸膀胱瘻と診断し,腹腔鏡手術を行った.回腸末端部が膀胱に穿通しており,回盲部切除を行い,膀胱の瘻孔部は縫合閉鎖した.摘出標本および病理組織学的検査で回腸末端部腸間膜対側に1cm大の非特異性潰瘍を認めたが,炎症性および虚血性変化に乏しくこれらに起因する潰瘍とは考えにくく,またBehçet病の診断基準を満たさないことから,単純性潰瘍による回腸膀胱瘻と診断した.極めてまれである単純性潰瘍による回腸膀胱瘻に対して腹腔鏡下に手術を施行した1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top