日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前に診断した外傷性Spigelヘルニアの1例
阪本 裕亮橋田 裕毅光岡 英世岩崎 寛貝原 聡細谷 亮
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キーワード: Spigelヘルニア, 外傷
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2014 年 75 巻 10 号 p. 2893-2896

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抄録

症例は20歳,男性.スクーター運転中の交通事故で当院へ救急搬送された.来院時の腹部造影CT検査にて,左の腹直筋外縁の腱膜に4cm×6cm大の欠損を認め,その皮下に小腸を認めた.外傷性Spigelヘルニアの疑いにて,来院当日に緊急手術を施行した.腹直筋外縁に沿って外腹斜筋腱膜・腹横筋腱膜は約7cmにわたって断裂し,外傷性Spigelヘルニアと診断した.他に臓器損傷はなく,筋膜の単純閉鎖を行った.術後経過は良好で術後7日目に退院した.術後21カ月間でヘルニアの再発は認めていない.本邦において外傷性Spigelヘルニアの報告はまれであり,文献的考察を加え報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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