日本臨床外科学会雑誌
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症例
IVRで止血した大量出血を伴う局所進行乳癌の2例
矢野 正雄佐々木 建志後藤 哲宏島尾 一也長谷部 行健
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キーワード: 乳癌, oncogenic emergency, IVR
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2014 年 75 巻 12 号 p. 3249-3253

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抄録

局所進行乳癌からの大量出血というoncogenic emergencyに対してinterventional radiology (IVR)治療が有効であり,良好な結果を得られた2症例を報告する.症例1は右乳癌からの大量出血,出血性ショックにて救急車にて当院に搬送された.緊急輸血を施行し,止血を試みるが大量再出血を繰り返したためIVR治療を施行した.その後,全身化学療法に移行し,最終的に根治術を施行できた.症例2は,右乳癌からの大量出血,貧血にて他院より当院に転院された.IVR治療にて良好な止血効果および腫瘍本体部壊死,縮小を認めた.Performance statusも改善し,前医に再転院し,全身化学療法にて1年6カ月PRを維持した.IVR治療は局所進行乳癌に対する集学的治療の一つとして有用な治療戦略の一つとなると考えられた.

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© 2014 日本臨床外科学会
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