抄録
症例は38歳,女性.潰瘍性大腸炎に対し,昭和62年から平成元年にかけて3回にわたり手術を受け,大腸全摘となり,回腸人工肛門を造設された.平成24年1月に回腸人工肛門粘膜と皮膚との接合部にポリープを認め,近医で治療を受けたが,ポリープの増大があり,平成25年3月に当院紹介受診となった.初診時,回腸人工肛門部に8×6×3cm大の腫瘍性病変を認めた.生検の結果adenocarcinomaで,腹部造影CT検査では腸間膜リンパ節転移が疑われた.同年4月に回腸人工肛門切除,皮膚合併切除,腸間膜リンパ節郭清,および左下腹部に回腸人工肛門再造設術を行った.回腸人工肛門癌は人工肛門造設後20年以上経過してから発症することが多く,長期にわたる定期的な人工肛門部の診察が重要であると思われる.