2014 年 75 巻 2 号 p. 365-368
当院では,肺癌術前の検査としてCT angiography(CTA)にCT bronchography(CTB)を加えた3D-CT(3 dimension CT)を作成し,血管走行および気管支走行に異常や破格がないかを確認している.今回,右上葉S2から気管支背側を通り,上肺静脈根部および下肺静脈に還流する破格血管を認め,安全に胸腔鏡下右上葉切除術を行った2症例を経験した.術前に血管および気管支の走行を確認しておくことは,安全な手術を行う上で必要不可欠であり,CTAにCTBを加えた3D-CTを作成することで,血管や気管支走行の立体的な認識が容易になり,走行異常や破格を認識し易くなるものと考えた.