抄録
症例は22歳,男性.約1カ月半前から持続する上腹部痛,吐き気の増悪を主訴に当院救急外来を受診した.触診にて右下腹部に小児頭大の腫瘤を触知し,腹部超音波検査・腹部CT検査では上行結腸から回盲部にかけての腫瘤およびイレウスを認めた.腫瘍によるイレウスの診断にて入院し,手術を施行した.手術所見では回盲部で回腸が盲腸に嵌入する腸重積を認めた.先進部に腫瘍を触知し,回盲部のリンパ節も腫脹しており,右半結腸切除術・リンパ節郭清術を施行した.摘出標本の病理検査でBurkittリンパ腫と診断された.手術後は血液内科に転科し化学療法等の治療が施行されたが,初診から11カ月の経過で死亡した.
成人のBurkittリンパ腫はまれな疾患であり,さらに腸管原発で腸重積を合併した報告例は非常にまれである.進行が極めて早く予後不良な疾患であり,手術や化学療法を含めた早期の集学的治療が重要である.