日本臨床外科学会雑誌
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症例
下血を契機に診断された多発小腸カルチノイドの1例
神 寛之池永 照史郎一期須藤 亜希子青木 計績橋爪 正遠藤 正章
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2014 年 75 巻 2 号 p. 462-466

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抄録
症例は82歳,女性.検診で便潜血陽性となり近医での下部消化管内視鏡検査で回腸末端の腫瘍を指摘され,精査のため当院消化器内科へ紹介.腹部CTで回腸腫瘍に加えて左側腹部にも腫瘤を認め検査入院となった.入院翌日に頻回の下血と貧血進行を認めたが,回腸腫瘍の出血が内視鏡的止血困難のため,手術目的に当科へ紹介となった.回腸末端と空腸に腫瘍を触知,近傍の腸間膜リンパ節は腫大していたため,多発性の悪性リンパ腫を疑い2箇所を小腸部分切除した.切除標本には空腸に6病変,回腸に1病変,計7病変の腫瘍が認められ,病理組織診断ではすべてが小腸カルチノイドと診断されたが,リンパ節転移は明らかではなかった.術後補助療法としてoctreotideを投与し3年間の無再発生存が得られている.本邦における多発小腸カルチノイドの症例は非常に稀であり若干の文献的考察を加え報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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