日本臨床外科学会雑誌
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症例
骨盤放射線治療後に生じた外腸骨動脈回腸瘻の1例
藤城 健大平 学宮内 英聡当間 雄之河野 世章松原 久裕
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2014 年 75 巻 2 号 p. 452-456

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抄録
症例は38歳の女性で,2009年9月,当院婦人科にて子宮頸癌に対し広汎子宮全摘後,補助化学放射線療法を施行した.2011年3月に突然の下血と高度貧血を認め婦人科に緊急入院した.第2病日の下部消化管内視鏡では直腸~S状結腸にかけての放射線性腸炎の所見のみであった.第3病日に再び大量下血しショック状態に陥り,造影CTにて小腸内への造影剤漏出像を認め,緊急血管造影を施行した.左外腸骨動脈からの血管外漏出像を確認し,緊急開腹したところ左外腸骨動脈回腸瘻を形成しており,外腸骨動脈の瘻孔閉鎖術+回腸部分切除を施行した.第23病日に退院した.動脈腸管瘻は,心臓血管外科領域では人工血管置換術後の合併症として知られるが,一般外科領域においてその認知度は低い.人工血管置換術以外にも動脈瘤や放射線照射などを契機に発症する.動脈腸管瘻は診断に難渋し,かつ緊急性の高い腹部救急疾患であり,考察を交えて報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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