日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
乳腺神経内分泌型乳管癌の臨床病理学的検討
遠藤 香代子山本 大悟末岡 憲子坪田 優坂井田 紀子權 雅憲
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2014 年 75 巻 3 号 p. 616-620

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抄録

2007-2012年の過去5年間で,当院において経験した乳腺神経内分泌型乳管癌13例(非浸潤癌4例・浸潤癌9例)について報告する.
患者は,平均67.6歳(43-82歳),うち女性12例・男性1例であった.ERおよびPgRは共に不明1例を除く全例陽性,HER2はDCIS症例を除く全例で陰性であった.腫瘤を自覚して受診することが多く,乳頭分泌異常症例もあった.多くはMMGで腫瘤性病変を示している.免疫染色ではCD56が13例中12例陽性,synaptophysinが13例中13例全例陽性,chromograninA染色が7例中5例陽性で,少なくとも二つを施行して神経内分泌方向への分化を確認した.Ki-67は6例中3例で高値を認めた.2013年4月現在,全例無再発生存中である.乳腺神経内分泌型乳管癌は比較的稀な疾患であり,今後は症例を蓄積し,治療や予後に関して検討する必要があると考えられた.

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