抄録
症例は55歳,男性,胸部打撲の際のCTで偶然,腹部腫瘤を発見された.造影CTでは,右上腹部に径4cm,分葉状,早期相で強く濃染される腫瘤を認めた.Carcinoid・castleman's disease・paragangliomaなどを疑い,診断と治療を兼ねて腹腔鏡下手術を行った.腫瘍は肝鎌状間膜内に存在しており,周囲臓器への浸潤は認めなかった.切除標本は径4cm,白色充実性で多結節性の腫瘤であった.病理組織学的検査でsolitary fibrous tumorと診断された.核異型や核分裂像は目立たず,壊死や出血は認めなかった.術後1年が経過した現在,無再発生存中である.SFTは胸腔内からの発生の報告が多いが,全身に発生しうる.近年,腹腔内の症例に対し,腹腔鏡下手術の報告が散見される.文献的考察を加えて報告する.