日本臨床外科学会雑誌
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症例
横行結腸に転移し発見された子宮内膜間質肉腫の1例
堀井 伸利清水 哲也関戸 仁松田 悟郎
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キーワード: 子宮内膜間質肉腫, 結腸
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2014 年 75 巻 4 号 p. 1080-1084

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抄録

子宮内膜間質肉腫は子宮悪性腫瘍の0.2~2%を占める稀な腫瘍である.今回,横行結腸に転移し発見された低悪性度子宮内膜間質肉腫を経験したので報告する.症例は44歳の女性.既往歴,特記事項なし.右側腹部痛の持続を主訴に当院を受診した.上腹部正中に圧痛および腫瘤を触知し,反跳痛を認めた.血液検査ではWBC 24,200/μl,CRP 10.9mg/lと炎症反応の上昇を認め,腹部造影CT検査でDouglas窩に腹水の貯留,横行結腸に不均一な造影効果を伴う8cm大の腫瘤性病変を認め横行結腸癌穿孔と診断し,開腹結腸部分切除術を施行した.腫瘍は3cm×2cmで中心部に瘻孔があり腸間膜内に膿瘍腔を形成していた.術後経過は良好で術後14日目に退院した.病理所見では短紡錘状細胞の錯綜と増殖を認め,核異型度は軽度から中等度で経度の核分裂像を認めた.免疫染色でCD10陽性・EgR陽性・PgR陽性であり,低悪性度子宮内膜間質肉腫と診断し,後に子宮両側付属器切除術を施行し,子宮内に原発巣を認めた.

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© 2014 日本臨床外科学会
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