日本臨床外科学会雑誌
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症例
尿管が原因となった広汎子宮全摘術後の絞扼性イレウスの1例
石川 亘石田 康彦山野 武寿立花 光夫三村 太亮宗友 良憲
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2014 年 75 巻 4 号 p. 1089-1092

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抄録

症例は50歳の女性.既往歴として,約1カ月前に子宮頸がんに対して広汎子宮全摘術が施行された.嘔吐と腹痛を主訴に救急外来を受診した.腹部は軽度膨隆し圧痛軽度,間欠的な蠕動痛があり,腸蠕動音は亢進していた.癒着性イレウスと診断し保存的に加療していたが,第3病日に腹部造影CTにて絞扼性イレウスと診断し緊急手術を施行した.回腸がループを形成し限局的に拡張しており,左尿管と左総から内腸骨動静脈の間隙に陥頓し絞扼されていた.回腸を用手的に整復後,再発防止策として露出した尿管と腸骨血管を被覆する目的で,S状結腸と回盲部を仙骨前面にそれぞれ縫着した.術後経過は良好で術後7日目に退院した.広汎子宮全摘術後に尿管が原因で生じたイレウスの本邦における報告は,今回渉猟しえた範囲では見当たらず,文献的考察を加えて報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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