日本臨床外科学会雑誌
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症例
肺癌術後loxoprofen内服にて発症した好酸球性肺炎の1例
荒木 修松村 輔二千田 雅之
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2014 年 75 巻 4 号 p. 917-921

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抄録

症例は75歳,男性.Stage I A肺癌に対し右下葉切除術+縦隔リンパ節郭清術(ND2a-2)を施行し,第1病日から疼痛管理としてloxoprofen 180mg/日を内服していた.第12病日に乾性咳嗽と労作時呼吸困難を自覚,低酸素血症を認め,背部で捻髪音を聴取した.経気管支肺生検にて肺胞隔壁への好酸球浸潤を確認した.薬剤誘発性リンパ球刺激試験ではloxoprofenが陽性であった.Loxoprofenによる薬剤性の好酸球性肺炎と診断しその服用を中止したところ,次第に症状は軽快した.Steroidは使用しなかった.術後に咳嗽,労作時呼吸困難,びまん性陰影の出現がみられた際には薬剤性好酸球性肺炎も鑑別にあげる必要がある.

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© 2014 日本臨床外科学会
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