日本臨床外科学会雑誌
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症例
大腿ヘルニア嵌頓で発見された胃癌腹膜播種の1例
前田 光貴三田 孝行岩田 真加藤 憲治大澤 一郎春木 祐司
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2014 年 75 巻 4 号 p. 952-956

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抄録
症例は69歳,女性.約1カ月前からの右鼠径部膨隆を主訴に当科外来を受診した.右鼠径靱帯の足側に用手的に還納できない母指頭大の硬い膨隆を認め大腿ヘルニア嵌頓と診断し,翌日,大腿ヘルニア根治術を施行した.手術所見ではヘルニア内容は大網であったが一部で硬結を認めたため,切除して病理検査に提出した.病理組織学的検査の結果,印環細胞癌の大網転移が疑われた.原発巣検索の目的で施行した上部消化管内視鏡検査で胃前庭部に3型病変を認め,同部位の生検から大網の結節と同様の病理所見が得られたため,胃癌の大網転移と診断した.CTでは胃周囲の多発リンパ節腫大・多発腹膜播種病変を認め,胃癌cT4aN2M1 Stage IVと診断した.その後,S-1+CDDPによる化学療法を施行したが,病状は徐々に悪化し,手術から約5カ月後に死亡した.大腿ヘルニア嵌頓を契機に発見された胃癌腹膜播種のまれな1例を経験したので報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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