抄録
成人の鼠径ヘルニアに対して,メッシュを用いた腹腔鏡下修復術を2mm・5mm・2mmの創で6例の患者に施行したので,術式(TAPP-252と略記)と手術成績を報告する.対象は全例女性で,1-1型が1例2側,1-2型が5例であった.TAPP-252では,5種類の超細径器具(いずれも径2mmの硬性腹腔鏡・把持鉗子・電気メス・持針器・剪刃)を使用した.径2mmの腹腔鏡観察下では,5mmポートを有効に使用し,超音波凝固切開装置・タッカー・メッシュ・ガーゼ・縫合針の挿入が行えた.手術時間は平均53分(片側)で周術期の合併症は認めなかった.術後の整容性は全例で良好と考えられた.TAPP-252は最小の腹壁破壊で行うTAPP法であり,今後も適応を吟味しながら積極的に施行したい.