日本臨床外科学会雑誌
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症例
漢方薬の長期服用が関与したと考えられる特発性腸間膜静脈硬化症の2例
大木 宇希杉谷 一宏吉田 裕高橋 泰
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1202-1207

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抄録
症例1は48歳の女性.20年前より,アトピー性皮膚炎のため漢方薬を服用.主訴は腹痛・嘔吐.腹部単純X線・CTで右結腸付近に樹枝状の石灰化を認めた.大腸内視鏡検査では全結腸の粘膜が青銅色・浮腫状を呈し,管腔狭小化と潰瘍形成を認めた.症例2は65歳の女性.15年前より,更年期障害のため漢方薬を服用.主訴は腹痛.腹部単純X線・CTで右結腸付近に樹枝状の石灰化を認めた.大腸内視鏡検査では右半結腸にわずかな青銅色の変化と浮腫状の粘膜を認めた.症例1・2とも,組織診で特発性腸間膜静脈硬化症と診断された.症例1は腸閉塞症状を繰り返すため,3カ月後に手術を施行した.症例2は軽度の腹痛以外に症状がないため,経過観察中である.特発性腸間膜静脈硬化症は稀な疾患で,原因は不明であるが,漢方薬の長期服用が原因の一つとの報告もある.本症例も漢方薬を服用しており,漢方薬の長期服用が発症原因の一つである可能性が示唆された.
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© 2014 日本臨床外科学会
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