日本臨床外科学会雑誌
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症例
救命した86歳小腸結核穿孔の1例
新宅谷 隆太坂部 龍太郎長谷 諭田原 浩布袋 裕士前田 佳之
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1287-1291

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抄録
腸結核が穿孔することはまれであり,高齢者の場合緊急手術を施行しても,全身状態の悪化から救命は困難といわれている.救命しえた高齢者の腸結核穿孔の1例を経験したので報告する.症例は86歳女性.腹痛と発熱を主訴に来院し,腹膜刺激症状を認めた.CT検査では腹水と腹腔内遊離ガス像を認め,穿孔性腹膜炎と診断した.また,両肺の粒状影を認めた.同日,緊急手術を施行した.開腹するとTreitz靱帯から290cm・320cmの回腸の2箇所に穿孔を認め,腹膜炎の状態であった.回腸部分切除,端々吻合,経腸栄養目的の空腸瘻造設,腹腔ドレナージを行い手術を終了した.切除標本では2箇所の穿孔部の他に1箇所の潰瘍形成を認め,病理組織学的検査で腸結核による腸管穿孔および潰瘍形成と診断された.術翌日に活動性肺結核と診断され抗結核治療を開始した.全身状態不良であったが,抗結核治療・栄養コントロールにより救命しえた.
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